下仁田ねぎは、栄養価が非常に高く、多くのビタミンやミネラルを含んでいることで知られています。この特別なねぎは、特に冬の寒い時期に甘みが増し、その風味豊かな味わいで多くの料理に利用されています。下仁田ねぎは、煮物や鍋料理に最適で、肉や魚と合わせることでその旨味を一層引き立てます。また、食物繊維が豊富で、消化を助ける効果もあります。

下仁田ねぎは別名「殿様ねぎ」

いつ頃から下仁田ねぎが栽培されていたか明らかではないが、下仁田町の桜井家には、「ねぎ御用につき江戸急送方達」というタイトルの古文書(文化2年[1805]年11月)が所蔵されています。

書かれている文面を現代語で要約すると「御用につき(公務で使うから)ねぎ200本、きぬ3疋半を至急送れ。運賃はいくらかかっても構わない。」とあるそうで、これが多くの書物に引用されている部分です。

下仁田ねぎが別名、殿様ねぎと言われるようになったのはこの事からだと言われています。

富岡製糸場とともに全国に

明治5年(1872)に富岡製糸場が操業開始しました。翌年、ウィーンで開催された万国博覧会において出品した絹糸が賞を受賞した事により同製糸場は一躍有名になり、その結果、富岡製糸場を訪れた人々への贈答品として下仁田ねぎの需要が一気に高まったようです。

「下仁田ねぎは下仁田におけ」

昭和に入って皇室への献上が話題になったり、上毛カルタに「ねぎとこんにゃく下仁田名産」と詠まれてから一気に知名度が全国的になったと考えられています。

群馬・長野の両県農事試験場が栽培試験を手がけましたが、長野では育ちが悪く、群馬(前橋)では育ちすぎて葉が硬直するなど食べ物にならなくて、結局「下仁田ねぎは下仁田におけ」という結果に終わったとのいわれがあります。

東洋医学的に観た葱(ねぎ)の魅力とは?

  • 五味 辛〔 発散作用 〕滞っているものを発散させ、気血の流れをよくする
  • 五性 温 身体を温め興奮させる

冷え症には、温(おん)・辛(しん)の性質を持った食べ物が良いとされていますが、その代表が「ねぎ」です。

辛(しん)の食物には、肺や大腸の働きを高める作用がありますので、身体に抵抗力をつけ、寒気が身体に侵入するのを防ぎます。その上、温(おん)の性質が働くので、身体の芯からポカポカと温めてくれます。

  • 体質 気滞・瘀血 

気滞(きたい)
〔 気の巡りが悪い 〕
ストレスや不規則な生活で、イライラしやすく、身体のリズムが乱れる。

瘀血(おけつ)
〔 血の流れが悪い 〕
血行不良で肌あれや肩こり、月経のトラブル、冷え・のぼせがおこりやすい。

気(エネルギー、栄養分)や血行が不良で起こる症状のある方が食すると特に効果があります。

  • 関連する経絡 肺経・胃経

肺経と関連するため、風邪の初期症状に効果があり、胃経と関連するため、消化吸収を助ける働きがあります。

俺は俺なりに自分のプライドがあって、それはダウンしても必ず立つこと。ダウンしても立ち上がれれば「無様」が「生き様」になる。氷室京介